タバコによる肺の生活習慣病であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が社会的な問題として注目されるようになり、喫煙歴のある方からCOPDの徴候をできるだけ早期に見つけ出し、治療に結びつけようという動きが盛んになっています。
そのような背景から日本呼吸器学会を中心に「肺年齢」という概念が作られ、COPDの早期発見に役立てようとしています。
肺年齢は呼吸機能検査(ふーっと思い切り吐けるところまで息を吹きかけるあの検査です−英語でスパイロメトリーと言います)によって測定された、1秒間に吐ける息の量(1秒量)と身長から性別により以下のような計算式により計算され、何才相当の肺の力があるかがわかります。
男性:0.036×身長(cm)− 1.178 − 1秒量/0.028
女性:0.022×身長(cm)− 0.005 − 1秒量/0.022
出てきた肺年齢や1秒量などの結果により
A 異常なし
B 境界領域
C 肺疾患の疑い(要再検査)
D COPDの疑い(要経過観察/生活改善)
E COPDの疑い(要医療)
の5つのグループに判定され、状況に応じて病院への受診・詳しい検査などが勧められます。
肺には一定の予備力があるため、タバコにより肺が障害され、ある程度「年老いた」状態でも、ご本人は息切れなどを感じていないことも多々あります。
またCOPDと診断された場合にも、ある程度早い段階であれば吸入薬による治療でその後の肺の衰えを遅らせることができます。
喫煙歴がある方は、呼吸機能検査を是非一度医療機関で受け、肺の実力をチェックしてみてください。(^^)