アレルギー性鼻炎と喘息の関連について

アレルギー性鼻炎と喘息 ー切ってもきれない関係ー

 鼻から咽頭・気管・気管支は空気の通り道としてつながっており、アレルギー性鼻炎と気管支喘息は、昔から深い関係があることがよく知られています。それを反映して気管支喘息の患者さんの7-8割にアレルギー性鼻炎の合併があり、逆にアレルギー性鼻炎の方の2-3割に喘息の合併があると言われています。2つの疾患に関連が認められる理由としては、口呼吸になりやすいことや、アレルギー系の炎症細胞が共通であること、お互いが神経系を介して影響を及ぼし合っていることなどが考えられていますが、はっきりとした原因については未だわかっていません。

2つの疾患を合併した場合の治療で考えておくべきこと

 アレルギー性鼻炎と喘息の合併があった場合の基本方針としては、いずれか片方のみが悪化している場合にはそちらの治療を強化し、双方が悪化している場合には両方の治療を強化するということになります。ただし一般的には、増悪時には鼻炎と喘息のいずれもが悪化していることが多い印象を持っています。

本当に鼻炎だけ? 喘息だけ?

 アレルギー性鼻炎として長年治療を受けておられる方で、よくよく話をうかがうと風邪をひいた後に咳が長引いたり、「ぜーぜー」「ひゅーひゅー」を自覚しているという方もこれまでおられましたし、実際に胸で「ぜーぜー」が起こっているけれども、鼻炎の症状がかなり強いため、ご本人はあまり自覚されていないということも稀にあるようです。お互いの疾患が合併することも多いという事実を多くの方に知っていただき、そういう目でご自分の症状を是非見なおしていただけたらと思います。