このブログをごらんの方で春先になると毎年憂うつになるという方はおられませんでしょうか?
春先といえば花粉症の季節。
これまで花粉症にはアレルギーを抑えるタイプの対症療法的な薬が中心に使われてきましたが、からだにアレルゲンを投与して徐々にアレルゲンに慣らしていくという根本的な治療法(免疫療法・減感作療法などと呼ばれてきました)が長年研究されてきました。
2009年からスギ花粉症の患者さんに対してスギから取り出したアレルゲンの成分を注射液として定期的に注射するという治療法が一般に開始されましたが、定期的に通院して注射が必要であることや注射部位の腫れや痛みなどの副作用もあることなどからなかなか広く普及するというまでには至りませんでした。
そこでアレルゲンを舌の下に入れて飲み込むというタイプの新しいスギ花粉症の治療薬が2014年10月に発売となり新聞やテレビなどで大きな話題となっています。
- 非常に稀(1億回に1回程度)ではあるものの投与後重いアレルギー反応が起こることがある
- 花粉が飛んでいない時期にも毎日服用が必要で年単位(3年以上)での継続が望ましい
- 治療をした人全員に効果があるわけではなく2-3割の人には効果が乏しい
- 少なくとも1ヶ月に1回の通院が必要(2015年10月までは2週間に1回)
など、治療前にご理解いただくべきことはあり、なかなか3年間も続かない(^_^;)と思われる方も多いかもしれませんが特に症状が重く、毎年ゆううつな数ヶ月を送っているという方は使っている抗アレルギー薬が少しでも減らせる可能性もあり、検討に値する治療法ではないでしょうか。
スギ花粉症の舌下免疫療法薬(シダトレン)は講習・登録を受けた医師のみが処方できるシステムになっており、私自身も講習を終了して開院後はシダトレンを多くの患者さんに使っていただければと考えています。